持ち家と賃貸どっちがお得？それぞれのメリットとデメリットを解説

子どもが生まれたタイミングで「そろそろ家を買うべき？それとも賃貸のままが良い？」と悩む家庭は多いものです。

ライフスタイルや家計の変化が起きやすい子育て期だからこそ、住まい選びは慎重に行いたいところ。

本記事では、持ち家と賃貸、それぞれのメリット・デメリットを徹底的に解説し、どんな家庭にどちらが向いているのかを具体的に紹介します。

これから住宅について本格的に考えたいパパママは、ぜひ最後までご覧ください。

持ち家と賃貸どっちが良い？

住宅の選択は「一生の買い物」とも言われる大きな決断です。

特に子どもが生まれた後は、教育環境や通学距離、住環境の安全性なども加味して考える必要があるため、「持ち家」と「賃貸」のどちらが良いのかは家庭によって異なります。

経済的な安定性を求めるのか、柔軟性を重視するのか。

どちらを選ぶかによって家計の負担や生活の自由度も変わってくるため、それぞれの特徴をしっかり理解して、自分たちの価値観に合った選択をすることが重要です。

持ち家のメリット

持ち家には「資産になる」「家族の拠点ができる」など、将来への安心感をもたらす魅力があります。

ここでは、持ち家を選ぶことの主なメリットを解説します。

資産としての価値がある

持ち家は、購入時点から自分たちの「資産」となります。住宅ローンを完済すれば、その家は自分たちの所有物となり、老後の住居費負担を軽減できます。また、立地や建物の価値が維持されていれば、将来的に売却や賃貸に出すことも可能です。住宅は「住む」だけでなく、資産としての役割も大きいため、長期的な視点で見ると経済的メリットは少なくありません。

自由な間取り・リフォームが可能

持ち家では、壁紙の変更や収納スペースの拡張、設備のグレードアップなど、自分たちの好みに合わせて自由に手を加えることができます。子どもの成長に合わせて間取りを変更したり、バリアフリー化したりと、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる点が大きな利点です。DIYが好きなパパママにとっても、夢のある住まい方が実現できます。

子育て環境を整えやすい

住環境を整えやすいのも持ち家の魅力です。防音対策やセキュリティ面を強化したり、庭付きの家でのびのびと遊ばせたりと、賃貸では難しい子育て支援が可能になります。また、学区を基準に家を探すこともできるため、教育方針に合った環境を整えることができます。家族にとって理想の暮らしを形にしやすいのが、持ち家の大きな特徴です。

住宅ローン減税など税制優遇がある

住宅購入時には、住宅ローン控除や固定資産税の軽減措置など、さまざまな税制優遇が適用される場合があります。初期費用こそ高額ですが、長期的には住宅ローン控除による節税効果が期待でき、結果的に賃貸よりも支出が抑えられるケースもあります。正しく制度を活用することで、経済的なメリットが得られるのも持ち家ならではの魅力です。

持ち家のデメリット

一方で、持ち家には注意すべき点も存在します。

初期費用や将来のメンテナンスなど、持ち家ならではの負担について確認しましょう。

初期費用が高額になる

持ち家を購入する際には、頭金や登記費用、住宅ローン事務手数料、火災保険料など、さまざまな初期費用が必要になります。特に注文住宅や新築マンションの場合は、数百万円単位の支払いが発生することもあり、資金計画が必要不可欠です。マイホーム購入は「住宅ローンさえ組めればOK」ではないため、資金の準備が整っていないと実行に移しづらいのが現実です。

ライフスタイルの変化に対応しづらい

子どもの進学や転勤、親の介護など、家族のライフスタイルは常に変化します。賃貸と違い、持ち家は簡単に引っ越すことができないため、状況の変化に柔軟に対応することが難しくなります。売却や賃貸に出すにも時間と手間がかかるため、将来的な見通しが立てづらい家庭にとってはリスクとなり得ます。

維持費・修繕費がかかる

持ち家には、定期的なメンテナンスが必要です。外壁や屋根、設備の交換などには数十万円〜数百万円の費用がかかることもあります。マンションの場合は管理費や修繕積立金が毎月発生し、戸建てであれば自分で修繕費を貯めておく必要があります。購入後も継続的な支出が発生する点は、事前に理解しておくべきポイントです。

住宅ローン返済のプレッシャー

住宅ローンは20年〜35年と長期間にわたって返済を続ける必要があり、将来の収入や健康状態に不安を感じることもあります。ボーナス返済を組み込んでいる場合、景気の影響を受けやすい職業では返済が厳しくなるリスクも考えられます。毎月の返済に追われて生活が苦しくなると、本来の理想の暮らしから遠ざかってしまう可能性もあるため、慎重な判断が求められます。

賃貸のメリット

賃貸住宅にも多くのメリットがあります。

特に「自由度の高さ」や「経済的負担の軽さ」は、子育て家庭にとっても魅力的なポイントです。

ライフステージに合わせて住み替えしやすい

賃貸の最大のメリットは、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できることです。子どもの成長に合わせて広い家に引っ越したり、通勤や通学の利便性を考えて住み替えたりと、必要に応じて住まいを変更できます。転勤や離婚、親との同居など、予測できない変化があった際も、持ち家に比べて身軽に対応できるため、精神的な負担も少なく済みます。特に将来の生活に不確定要素が多い若い世代には、大きな安心材料となります。

初期費用が安く済む

賃貸住宅では、入居時にかかる初期費用（敷金・礼金・仲介手数料など）はあるものの、持ち家のような数百万円単位の頭金は不要です。引っ越し時にまとまった資金が必要ないため、急な住み替えや子どもの進学にあわせた移動も現実的に実行できます。資金面でのハードルが低いことは、特に若い夫婦や子育て世代にとっては大きなメリットです。

修繕や管理をしなくて良い

賃貸物件では、建物の修繕や設備のメンテナンスは基本的に大家さんや管理会社が行ってくれます。急に給湯器が壊れたとしても、自己負担なく修理してもらえるケースが多く、住居に関するトラブルへの対応に時間やお金を割く必要がありません。これにより、忙しいパパママでも安心して生活ができ、家の維持管理にかかるストレスからも解放されます。

固定資産税やローン返済の心配がない

賃貸住宅に住んでいる限り、住宅ローンのような長期的な返済プレッシャーはなく、固定資産税の支払いも必要ありません。そのため、月々の家賃さえ確保すれば良く、万が一の収入減少時にも家計の立て直しがしやすくなります。長期的に収入の見通しが立ちにくいフリーランス世帯や、転職を視野に入れている家庭にも向いている住まいのスタイルです。

賃貸のデメリット

一方で、賃貸には「自由に暮らせない」「将来的な不安がある」といったデメリットも存在します。

次はその主な注意点を見ていきましょう。

家賃を払い続けても資産にならない

賃貸では、家賃を何年払ってもその物件は自分の資産にはなりません。例えば30年間賃貸で住み続けたとしても、老後に家賃が払えなくなれば住み続けることが難しくなるという不安が残ります。一方、持ち家であればローンを完済すれば住居費は大幅に軽減されるため、長期的な視点で見ると経済的には不利に感じる方も多いです。

自由に改築・リフォームができない

賃貸住宅では、原状回復義務があるため、壁に穴を開けることや設備の変更など、自由に手を加えることができません。子どもが成長するにつれて収納を増やしたり、使いやすい間取りに変えたくなっても、それが難しいケースがほとんどです。生活にあわせて住まいをカスタマイズしたいと考える人にとっては、大きな不満につながる可能性があります。

子育て中の音や泣き声に気を遣う

集合住宅の賃貸では、子どもの泣き声や走り回る音に過敏になってしまうことがあります。特に壁が薄い物件や上下階に住人がいる場合は、近隣トラブルに発展する可能性もあり、ストレスを感じるパパママも多いです。「怒りたくないのに、注意してしまう…」と悩むケースもあるため、子育て世帯にとって騒音問題は深刻なデメリットの一つです。

高齢になると借りにくくなるリスク

現在はスムーズに賃貸契約を結べても、将来的に高齢になると物件を借りにくくなるリスクが存在します。高齢者に貸し渋るオーナーも一定数おり、「保証人が必要」「収入証明が必要」などのハードルが出てくることも。高齢期に備えて早めに持ち家に切り替える方もいるため、将来の住まいについては長期的に考える必要があります。

持ち家に向いている人の特徴

持ち家は、安定志向で「家族の拠点」を持ちたい人に向いています。

具体的には以下のような人が該当します。

• 長期的に一つの地域で暮らしたいと考えている
• 安定した収入があり、住宅ローンの返済に無理がない
• 子どもに地元の学校で教育を受けさせたい
• 住まいを自由にカスタマイズしたい（間取り変更やリフォームなど）
• 資産を持ち、将来的に相続や売却も視野に入れている

特に子どもの学区や通学距離を考えて定住を望む家庭にとっては、持ち家のメリットは大きく感じられるでしょう。

賃貸に向いている人の特徴

一方、賃貸は「柔軟性」や「気軽さ」を重視する人に適しています。

次のような人におすすめです。

• 転勤や引っ越しの可能性が高い
• 住宅ローンなど長期的な返済に不安がある
• 自由なライフスタイルを大切にしたい
• 修繕や管理などの手間をかけたくない
• 初期費用を抑えて暮らしたい

特に子育て中で将来の進学先や働き方の変化に備えたい方、あるいは「住まいを縛りにしたくない」という価値観を持つ家庭には、賃貸の方が合っていることも多いです。

まとめ

「持ち家」と「賃貸」、どちらが良いかは一概には決められません。

それぞれにメリット・デメリットがあり、家庭の状況や将来のビジョンによって最適な選択は異なります。

子育て期はライフスタイルが大きく変わる時期でもあるため、「今だけ」ではなく「これから先」を見据えて住まいを選ぶことが大切です。

この記事を参考に、家族にとってより良い暮らしが実現できる選択をしていただけたら嬉しいです。